ユニリーバ系新CMOに元ポピCMO

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導入

ユニリーバ傘下の水分補給ブランド「Liquid I.V.」が、ソーダブランド「Poppi」の元CMOジェニー・ダンジ氏を新CMOとして招聘したことが分かった。ダンジ氏はPepsiCoに17年在籍し、Pepsi本体のブランドマーケティング責任者も務めた人物だ。

Liquid I.V.はプライベートブランド(PB)の台頭という逆風の中、国際展開を加速させている。一方でマーケティング人材の引き抜きには高いコストが伴い、資金力に限りがあるスタートアップやベンチャー企業にとっては、同じ手法をそのまま真似できるわけではない。本記事では、何が起きたかだけでなく、なぜこの人事が機能すると見込まれているのかを構造的に整理し、日本のスタートアップやアグリテック企業が応用できる論点まで踏み込む。

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誰が何をしたか

Liquid I.V.はLinkedInの投稿で、ダンジ氏の就任を発表した。投稿では「消費者への執着、カルチャーへの本能的な感覚、創造的な野心」を評価したとしている。ダンジ氏は今月初めにPepsiCoからの退職を発表したばかりで、短期間での電撃移籍となった。

  • ダンジ氏はPoppiで統合ブランド・クリエイティブ・カルチャー・メディアの各チームを統括
  • PepsiCoは2024年にPoppiを約20億ドルで買収
  • ダンジ氏は買収前のPoppi単独時代から携わっていたとみられる

なぜPoppiのCMOが選ばれたか

Poppiは「ヘルシーなソーダ」という新しいカテゴリーを切り開き、SNSやカルチャーとの接続で若年層の支持を獲得したブランドとされる。Liquid I.V.がダンジ氏を指名した背景には、粉末水分補給パケットという成熟しつつある商品カテゴリーを、再び「文化的に語られるブランド」へ押し上げたい狙いがあるとみられる。

実際、Liquid I.V.は今年、映画「スパイダーマン」とのタイアップや、F1ドライバーのランド・ノリス、オスカー・ピアストリを起用したMcLaren Racingとのキャンペーン「Thirst For More」を展開してきた。スポーツ・音楽・映画といった文化接点を軸にした施策は、ダンジ氏の経歴と重なる部分が大きい。

Liquid I.V.の戦略的背景

ユニリーバは2020年にLiquid I.V.を買収し、現在は同社のヘルス&ウェルビーイング部門で最大のブランドに成長している。ただし業績には濃淡がある。

項目

数値

ユニリーバ全体のアンダーライング売上成長率(2026年Q3)

5.2%

ユニリーバ全体の数量成長率

2.9%

ビューティー&ウェルビーイング部門の売上成長率

5.7%

ウェルビーイング分野の年初来成長率

-1%

PepsiCo北米飲料事業の数量(Q3、前年比)

-2%

ビューティー部門が成長を牽引する一方、Liquid I.V.が属するウェルビーイング分野は年初来でマイナスという状況だ。プライベートブランドとの競合も強まっており、新CMO起用はこの踊り場を打開する一手と位置づけられる。

日本のスタートアップ・アグリテックへの応用

海外CPG(消費財)大手の人事施策をそのまま中小規模の農業ベンチャーに持ち込むことはできない。ただし、構造として学べる点は複数ある。

  • カテゴリーの再定義で差別化する発想:成熟市場でも「誰に向けて何を語るか」を再設計することで、価格競争以外の軸をつくれる可能性がある。アグリテック企業であれば、機能訴求だけでなく「誰のどんな課題を解決するブランドか」を言語化し直すことが出発点になる。
  • 文化接点を小さく作る:Liquid I.V.のようにスポーツやエンタメとの大型タイアップは資金的に難しくても、地域のイベントや生産者コミュニティとの接点づくりという形で同じ発想を小さく再現することは可能とみられる。
  • 人材獲得コストの現実:大手CPGが経験豊富なCMOを招く背景には、相応の報酬・権限設計がある。スタートアップがこれを真似る場合、専任CMOではなく外部顧問やパートタイムでのブランド戦略参画など、段階的な導入が現実的な選択肢になる。
  • ITリテラシー面の前提:文化接点を活かしたマーケティングはSNS運用やデータに基づく顧客理解が前提となる。社内に分析体制がない場合、まずは簡易な顧客データの蓄積から始める必要がある。

こうした応用はあくまで海外事例からの示唆であり、原文に日本企業への適用実績が示されているわけではない点には注意が必要だ。

まとめ

Liquid I.V.による元Poppi CMOの招聘は、プライベートブランド台頭下での差別化策として、カルチャー起点のマーケティングに賭ける姿勢を示すものだ。日本のスタートアップやアグリテック企業にとっても、専任の著名CMOを招く規模感ではなくとも、「ブランドを文化とどう接続させるか」という発想自体は、限られた予算の中でも応用を検討する価値があるテーマだろう。

あなたの現場では、ブランドや商品を「文化」としてどう語れていますか。あなたの現場の声を、記事下のアグリコメで聞かせてください。

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現場で使える!専門用語ミニ辞書

CMO(シーエムオー・最高マーケティング責任者)
企業のマーケティング戦略全体を統括する役職。ブランド戦略や広告投資の意思決定権を持つ。
プライベートブランド(PB)
小売業者が自社企画で展開する独自ブランド商品。メーカーブランドより低価格で展開されることが多く、競合として存在感を増している。
CPG(消費財・Consumer Packaged Goods)
飲料や食品、日用品など、日常的に消費・購入される商品群やそれを扱う企業を指す業界用語。
アンダーライング売上成長率
為替変動や買収・売却の影響を除いた、事業そのものの実質的な売上成長率を示す指標。企業の本業の伸びを比較する際に用いられる。

参考

Liquid I.V. enlists former Poppi CMO to drive cultural impact(Marketing Dive)

アグリコメ 1

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  • 編集部NextTrend Review 編集部

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